写メ日記写メ日記

胎内めぐり

2022/04/03 19:24:33

 桜満開、桜の話題も花盛り、でも今日の雨で少し花びらが散ってしまうのはちょっと寂しいです
 また少し寒い日が続いていますが、その寒さに負けず朝から京都の清水寺に行ってきました。
といっても、私のお目当ては随求堂の胎内めぐりです。

 清水寺は有名ですが、胎内めぐりはそれほどは知られていないスポットです。
清水寺の本尊(千手観音菩薩)の下にある光すら入らない真っ暗な空間に入り、その中を歩き、外に出てくることで生まれかわることができるといわれています。
本尊の菩薩様は、どんな願いや求めにも、すぐ随って叶えるよう働いてくださる大悲の仏だそうです。

 どんなお願いも叶えてくれるというお話を聞き、早速、願いごとを3つ心に秘め菩薩様のお腹の中(胎内)に入りました。
入口から真っ直ぐのびる階段を降りると、もう菩薩様のお腹の中でした。真っ暗で何も見えませんでした。
壁にめぐらされた大きな数珠のみを頼りに掴みながら、奥へ奥へと進んで行きました。
つまりは、数珠が母親の臍となり、この暗い空間は、母親の身体そのものを表しているそうです。

 しばらくしても目が慣れるどころか、真っ暗なままでした。不安で不安でたまらないなか、外に出るためには手探りで前に少しずつでも進まなければいけません。
そんな状態になったとき、目、耳、鼻、舌、身体の五感は研ぎ澄まされたようになり、意(心)は母をひたすら慕う赤子のようでした。
 そうしているうちに、少し先に一点の光明を見たとき、身体の芯から嬉しさのみが込み上げてくるような気持ちになりました。
何だか、余計なもの無駄なものは胎内に残して、新しい素の自分が生まれ出でたような感覚で外の明るい光の中に立っていました。

 お釈迦様は、明けの明星をみて悟りを開かれました。
私自身にもほんの少しではありますが、悟りがあったような気がしました。
数珠を頼りに前に進むしかない暗闇で、普段は感じることのない内に秘められた自らの光を感じたようでした。
そんな清々しい気持ちで明るい世界へと新生し、早速
3つのうちの1つの願いが叶ったことは、やはり菩薩様の大悲ではないかと思いました。