写メ日記写メ日記

からすみ

2022/12/02 05:42:39


おはようございます。

寒い日が続きます。
寒いのはあまり好きではないのですが、寒い季節になると、美味しいものが次から次へと登場するのは嬉しいです。

先日行ったお店で、自家製のからすみを見つけました。レアな感覚に誘われるままに、日本酒のあてにいただきました。
店主ご自慢のからすみだけあって、切り口は艶っぽくオレンジ色に輝き、厚めに切った重厚な味わいが口の中いっぱいに広がるようでした。

からすみは、ぼらの卵巣です。
ぼらはもともと、子どものお食い初めや神事、祭事の時に用いられためでたい魚です。
旬は秋から冬で、成長するたびに名前が変わる出世魚です。
ぼら自体は高いものではないそうですが、手間がかかること、珍味ということで高くても売れることから、からすみは高価なものとなっています。

からすみの歴史をたどると、古代フェニキア人が、初夏に取り出した魚卵を冬まで保存する方法として考えたといわれ、古代ギリシアやエジプトで既に製造されていたといいます。
イタリアにも、ボッタルカと呼ばれるからすみがあります。パスタなどによく利用されます。
世界各国にも似たようなものがあるのですが、ぼらの卵巣だけではなく、鰆、鮪、鱈の卵巣も使われているそうです。

冷蔵庫がない時代、生の食品を保存する方法として考え出されたのが、乾燥や塩漬けでした。
からすみもまた、食品を保存するための努力と工夫のなかから生み出されたものなのでしょう。
そう考えると、からすみは、いかにして保存するかという人間の知恵が生み出した傑作といえるでしょう。 

ついでにからすみ餅もいただきましたが、これもかなりの傑作でした。

今日も素敵な一日になりますように!