写メ日記写メ日記

橘始めて黄ばむ

2022/12/05 06:00:45


おはようございます。

12月に入って、一挙に街も暮らしも慌ただしくなってきました。
七十二候も第六十候目となり「橘始めて黄ばむ」を迎えています。
橘は、古くから日本に自生していた常緑の木です。国内の柑橘系で唯一の野生種です。

古事記や日本書紀において、不老不死の実として登場するのが橘だといわれています。
日本書紀には常世の国に木の実を探しに行ったという物語があります。当時の常世の国は、永久不変不老不死の理想郷でした。
長い歳月を費やし、苦労の末に持ち帰った木の実が橘だったようです、その後、橘は常世の物で永遠の繁栄をもたらすものとされました。

このように、歴史と伝説に彩られた橘は、冬でも青々とした常緑の葉を茂らせ、黄金に輝く実をつけることからも、繁栄と長寿の象徴となったのでしょう。
橘は、古の人たちには、枯れることを知らない永遠の象徴のように映ったのかもしれません。

そんなおめでたい木とされた橘は、京都御所にも植えられています。
明治・大正・昭和天皇の即位式が行われた紫宸殿の正面左側には桜があり、左近桜と呼ばれています。また右側に橘があり、右近橘という名で知られています。
そういえば、ひな祭りのひな壇。おひなさまとおだいりさまの左右にも、桜と橘の木が供えられていたことを思い出しました。

今日も素敵な一日になりますように!