写メ日記詳細写メ日記詳細

マイ・フェア・レディ

2021/12/30 21:43:26

 拝啓 昨日に引き続きの帰省ラッシュのようでした。
 「寒い」「寒い」と言いながらお土産をたくさん持って帰省されている姿には、どこかしら温かな喜びが感じられました。
お正月は、いかが過ごされるのでしょうか。

 今日は、偶然にもホテルのフレンチレストランの前を通りました。ふと立ち止まり中をチラッと覗いてみました。静かで落ち着いたおとなの雰囲気がとても素敵でした。

 相変わらず寒い日が続きます。
お身体大切になさってください。
                  かしこ


「マイ・フェア・レディ」

煌めくクリスマスの饗宴を終えたフレンチレストラン。
慌ただしさも小休止、新年の幕開けまでは静かなしっとりとした本来の落ち着きを取り戻していました。
店内のライト、ワイン色に輝くグラス、窓から観える夜景、それぞれの光が乱舞し、これからはじまる素敵なおとなのひとときを祝福しているかのようでした。

 テーブルに案内され、さっと引かれた椅子に腰掛けようとするタイミングで、椅子の位置を整えてくれます。
この瞬間、背筋がスッとのびるのを感じました。
この時の心地よさ、気持ちよさ、ちょっとした優越感に、目の前の夜景までがさらに美しく目に映りました。
この今の気分、いったい何と表現すればよいのでしょうか。
頭に浮かんだ言葉、それは「マイ・フェア・レディ」でした。

 「マイ・フェア・レディ」というアメリカのミュージカル映画がありました。
オードリー・ヘップバーンが演じる下町育ちの下品で粗野な娘をレディに仕立て上げるというストーリーです。そしてラストシーンでは、彼女は見事に優雅なレディへと変貌を遂げました。

 レディになれた瞬間のシーンに、はっとするような驚きと溜め息が出るような憧れ、よかったという安堵感を覚えました。
そしてドレスアップして美しく気高く振る舞うヒロインには、なぜかフレンチと赤ワインが似合うような気がしました。

 フレンチレストランの席に着くと、私もまた映画のヒロインのようにレディになった気持ちになります。
そんな時は、とても良い姿勢になり、料理も小口で少しずつ、ワインもできるだけ上品に楽しみながら、いつもよりちょっと気の利いた会話をしています。
まわりの雰囲気に馴染む、まさにそんな感じです。

 雰囲気にも、ドレスコードみたいなものがあるような気がしました。
 今日はちょっと覗いただけでここまで妄想してしまいましたが、私もビギンズ教授のような方と出逢い、レディになるためのレッスンを受けてみたいなと思いました。

              by Ryo Shimizu