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憧れの自然、植治の庭

2022/01/18 19:22:21

寒い日が続いています。
今朝は特に寒いと聞いていたので、ロングのダウンコートを着て行こうかと思いましたが、何だか着膨れしているように見えたのでやめました。
防寒対策と女性らしさというのは、どうも対照的なようです。
悩ましいことです。
 また一方では、悩ましくない対照的なものを観る機会をもつことができました。

 都の賑わいから離れた東山・南禅寺界隈、山の斜面に沿って階段状に延びるホテル。
ホテル内のエレベーターで上がり、廊下を進むとそこに自然の山肌を利用した庭が現れます。
 この庭の第一印象は、力強さ。
まずは斜面に露出する岩の迫力に圧倒されます。
そしてさらに進むと、瓢箪と杯をモチーフにした愛らしい庭があります。
ゴツゴツした無骨な岩肌に愛らしい瓢箪、この好対照が不思議な魅力を醸し出しています。

 その庭は、そこにある美しさを愛でる「静」ではなく自然の営みがそのまま庭になったような「動」を感じるものでした。
自然の岩場と疏水の水が見事に庭の中に取り込まれ、
まるで自然にそのままあるかのような、生命力が伝わってくるようでした。
 ここは、「植治の庭」です。
「そこにある自然をどのように生かすか」という植治の思いの中に、日本の美を観ることができました。

 日本の美、それは四季折々の自然とそれを感じる心、そしてその変化を庭や建造物でけではなく芸術や料理などのさまざまな分野で表現する繊細な技であるように思います。
 あるがままの自然そのものではなく、そこに人の手のぬくもりを見出せるからこそ、自然な安らぎを感じるのではないでしょうか。
自然と人工が奏でる日本人の自然観こそが、日本の美であるのかもしれません。

自然な美しさを凝縮したような空間でした。