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心に紅さす雪化粧

2022/01/21 21:26:49

   朝早く目が覚めました。
カーテンを開けて外の景色を眺めると、あたり一面がうっすらと白く化粧をしているようでした。
予報どおり、夜中のうちに雪が降ったみたいです。
 今年に入ってちらちらと舞う雪はありましたが、あたり一面が薄い銀世界に見えるのははじめてのような気がします。
ついつい嬉しくなって、寒さも忘れて付近の散策に出かけることにしました。

 まだ誰も足を踏み入れていない道は、ふわふわの真綿を一面に敷き詰めたようでした。
踏んでしまうのはもったいないと思いながらも、一歩、また一歩とゆっくりと足を進めていくと、「ムギュッ」?「ギュギュッ」?いや「ザクザク」?それとも「キュキュッ」?「ククッ」?
しっくりとくるような文字での表現はできませんが、新雪を踏みしめた時の音が何とも気持ちのよいこと。

 早朝からのあまりの快感に、さらに一歩づつ進んでいくと、耳に響くその音の心地よさ、それとあわせて目に映る白い世界の純粋さに心を奪われ、無意識のうちに奥へ奥へと吸い込まれていきました。
着いたその先は、静寂の中に佇む幽玄な空間でした。
木々からのびる枝に隙間なく寄り添うように積もった雪が、月明かりに照らされて宝石のように光っていました。

 自然の力によるライトアップに魅せられて、「キレイ」という言葉以外は何も浮かびませんでした。
 目に見える自然の美しさを愛でながら、目には見えない自然の素晴らしいパワーを感じ、そして今そこに立っている自分がいることに、朝からエネルギーをもらったようでした。

 早朝はやんでいた雪がまた降り出しました。
綿菓子がふわふわと踊っているようでした。
その雪がパラパラと私の体に触れるたびに、雪に纏わる数々の思い出が頭の中にも降ってくるようでした。
 小さい頃に雪だるまをつくって遊んだこと、かまくらをつくってみたら思いのほか中は温かかったこと、
運転免許取りたての頃、上り坂でスリップして泣きそうになったこと、雪景色の露天風呂に入って水を飲もうとしたら、蛇口から出てきたのは日本酒だったこと…。
語り尽くせないほど、心の中に温めていた思い出があることを、とても懐かしくまた嬉しく思いました。

 寒いなかにも、温かなものを感じることができました。
 季節を感じること、自然とともに生きること、素敵だなと感じました。
心に紅をさしたような今朝の雪化粧でした。