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春隣(春となり)

2022/01/25 21:04:02

    寒い思いをした1月もあと数日で終わりますが、また2月の厳しい寒さを乗り越えないといけません。
ですが、最近こんな声を耳にするようになりました。
「何だか春が近づいているような感じがする」と。

 寒い毎日が続いていますが、その合間を縫うように少しだけ姿を現すほのぼのとした陽射しに、三寒四温という言葉を思い出します。
そして、春を待ち遠しく思う気持ちが満ち満ちてきます。
〜車窓より 感じる心 春隣〜

 春隣とは、冬の季語です。
寒さがこたえる真冬の時期にも、かすかな春の予兆に目を向けては、暖かな季節に思いを馳せます。
 冬至を過ぎてからは、たとえ寒さが厳しい日にも太陽の光は強さを増して、陽射しは私たちの方へと日々少しずつ少しずつのびています。
 自然は確実に、春へと動き出しています。

 春隣、私の心はいくつかの春を感じました。

 うららかな春の光。
口を開けば「寒い、寒い」というだけあって、外はやっぱり寒いです。
ですが、車窓へと降り注ぐ暖かな光に春の陽気の気配を感じました。
冷たい風が当たらない車内は、ポカポカ陽気で快適です。あまりにも気持ちがよくて、ついうとうとしてしまいます。
 眠りを誘う陽気に寄り添う心、春隣。

 日長くなりぬ。
夕方になると、「日が長くなりましたね」「まだ明るいですね」という会話をよく交わすようになりました。
以前ならば、17:00になるともう暗くなっていたのを思い出します。
朝も同様です。
以前は、6:00ぐらいでもまだ夜が明けたという感じはしませんでした。
急に日が長くなったわけではありません。
ふと気づけば、そこに時が流れ季節が流れていくのをしみじみと感じます。
 移ろいゆく季節のなかで躍動する心、春隣。

 早春の味覚に誘われて。
 先日見つけた蕗の薹に、ほろ苦い春一番の香りを感じることができました。
 早春の味覚のひとつといえば、山菜や野草です。
つくし、わらび、タラの芽などの春の恵みを存分に味わいたいと思いました。
 そのほろ苦い味わいは、歳を重ねるごとにその良さがわかるそうです。
他にも、新玉ねぎに新キャベツ、新物のわかめ、「新」とつくだけで、みずみずしい自然の味わいを感じます。
 早春の恵みに感謝する心、春隣。

 いち早く春の訪れを告げる梅の花。
花よし、香りよし、果実よし。
梅の花は、お正月の慌ただしさを過ぎた頃に、まず先に春の訪れを告げる花で、早春の花といわれています。雪積もる厳しい寒さのなかで、けなげに花を咲かせます。
 先日、素晴らしい盆梅を観る機会がありました。
あたりいっぱいに漂う梅の香りと、それぞれに個性ある清らかな佇まいに春の精を見るようでした。
 梅の花に酔いしれる心、春隣。

 春が待ち遠しいです。