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みだれ髪の君

2022/07/31 05:43:39

  おはようございます。
朝の空気が、とても気持ちがいいです。
日が出てまもなくの東の空を見上げると、空の青と雲の白、そこにほんのりと朝焼けの黄金色がアクセントに添えられた自然が奏でるロケーションの素朴さに、心が清められるようでした。
朝ならではのこの光景に、やっぱり早起きはいいなとしみじみ感じていました。

 先日、予定外の二次会のお店に入ると、とても素敵な歌声が聴こえてきました。
美空ひばりの「みだれ髪」でした。
歌っていたのは男性でした。
「憎や恋しや 塩屋の美咲」というあたりから、画面に映る歌詞を目で追っていました。
3番まで歌詞を読み終えたとき、この歌詞は、「好き」とか「愛してる」を超越した、激しく燃える女の情念のようなものを表現しているのではないかと思いました。

 情念というと重苦しく執念深いイメージを想像してしまいますが、「みだれ髪」の歌詞は無駄なものが削ぎ落とされ、愛する人へのやるせない思いをとことん突き詰めているようでした。
一言一句はただの単語かもしれませんが、それらの並びの流れの根底には、邪魔されることを許さない愛、そしてその愛に生きる真っ直ぐな女心があるように感じました。

 何だか与謝野晶子の歌集「みだれ髪」と重なるようでした。
明治の情熱歌人、与謝野晶子の「みだれ髪」は、晶子が一途な恋を歌に読み上げ、その想いを伝えたものです。大胆で官能的な歌もありますが、性的な描写ではありますが、決してどぎつくなく、あくまでも人間的です。そして、新鮮で身近な感動を与えてくれます。
 批判もされましたが、うら若き歌人 与謝野晶子の言葉に、当時の人々は魅了されたことでしょう。

 詩歌や小説などの作品は、なんといってもその新鮮味と人生に対する深い考察が魅力です。
風景の美しさを描いた作品もありますが、その本質は風景ではなく、あくまでも描いた人の人間的な美であると考えます。
人間的な美とは、もしかしたら一途な思いを貫き通す原動力のようなものかもしれません。
そしてそれも、情念ではないかと思いました。

「凛と立つ 花は大地に 支えられ
        想いを歌に 艶やかに咲く」
凛と立つ花のように、みだれ髪の君のように。

 今日も、よい一日をお過ごしください。

考える葦

2022/07/30 05:55:26

 おはようございます。
毎日続くこの暑さ。
でも、暑さにバテているのは人間だけではないようです。
たまたま犬を抱いていた女性とエレベーターで一緒になりましたが、ワンちゃんも暑さには弱いそうです。
また、スマホも同様のよう。
この暑さで、バッテリーが異常に熱くなったり膨張したりするそうです。これをスマホ熱中症といい、SNSではかなり話題となっています。

 新聞で、小中学生を対象として実施された全国学力テストについての記事を見つけました。
中学理科の正答率が5割を切ったらしいです。
今回の理科のテストは、新しい学習指導要領に基づいて出題されたようで、観察や実験を重視する「探究」の問題に対応できなかったとみられています。
また国語は小中とも考えを書く問題が伸び悩み、数学は新指導要領で重点を置く「データ活用」が苦手な傾向にあるということでした。

 この記事を読んで、自分のまわりのことを思うと何となく納得できるような気がしました。
「考える」ということをしなくなったような感があります。
インターネットの普及拡大で、自分であれこれ考えなくても答えはネット上に溢れるほどにころがっています。それをコピぺすれば済むのです。また、次から次へと情報が与えられるために、じっくり考えて自分なりの意見を持つということもなくなってきたように思います。

 「人間は考える葦である」とフランスの哲学者者 パスカルは言っています。
「人間は自然の中では葦のように弱い存在である。しかし、人間は頭を使って考えることができる。考えることこそ人間に与えられた偉大な力である」ということを述べているのです。
生まれながらにしてある素晴らしい能力を活用しないとは、本当にもったいないことです。
 
 指導要領に記載するだけではなく、教育の現場にこそ、子どもたちに考えさせる場面を作っていかなければならないのではないかと思いました。
なんちゃって、ちょっと偉そうなことを言ってしまいました。

 今日も、よい一日をお過ごしください。

シャトーブリアン

2022/07/29 05:45:50

 おはようございます。
毎日、暑い日が続いています。でもこの暑さが当たり前になると、だんだん慣れてきたようにも感じます。
開催を予定していた大人数での会食やホテルでのパーティーは、昨日から中止の連絡が入ってくるようになりました。
やっぱりとは思いましたが、こちらには慣れるどころかちょっと心配です。

  といいながら、昨日は少人数での会食でした。肉のコース料理でした。
和食であっさりがいい時、何となくお肉を食べたい時、鰻でも蒲焼きがいいなと思う時または白焼きにわさび醤油でさっぱりといきたい時、その時々の体調や気分で好みはいろいろ変わります。
 この暑さのせいで、無意識のうちに体力をつけなければと思っているのでしょうか、なぜかみんな肉料理で意見が一致しました。

 今回のコースは、いつもと違う楽しみがあります。それは、シャトーブリアンが出てくることです。
「なんでこんなに高いのか?」とずっと気になっていましたが、初めて食べた時の柔らかさは忘れられませんでした。
また脂が少ないというのも気に入った理由のひとつかもしれません。

 シャトーブリアンは牛ヒレの中でも中央部分の最も肉質が柔らかい部位(大腰筋)もしくは、その部位を使ったステーキのことを意味するのだそうです。
動物の筋肉は運動量が多くなるにつれて硬くなりますが、シャトーブリアンは牛の体の中でもっとも運動量が少ない部位のため柔らかいということでした。
柔らかい部位は脂身が多いイメージですが、シャトーブリアンは脂肪が少ないのです。
これがまた、不思議です。

 いよいよお待ちかねの一品。大事に大事に焦がさないように焼いて、パクッ。
口の中にジュワーと広がる味わいと赤ワインとのマリアージュは最高でした。
サシの多い肉もジュワーッと感はありますが、こちらは脂肪が多いため、あまりたくさんは食べられません。でも、脂肪が少ないシャトーブリアンならたくさん食べられるような気もしました。
値段を考えると、絶対に無理ですけどね!

今日も、よい一日をお過ごしください。

みたらし祭り

2022/07/28 05:48:31

  おはようございます。
いつもの朝のウォーキングをしていると、夏至の頃からみると、日の出が遅くなっていることに気づくようになりました。夏ももう終わりに差しかかっているようなな気になりました。
その反面、あたり一面に蝉の鳴き声が響き、まさに夏真っ盛り。
移ろいゆく季節、それに伴う自然の微妙な変化に朝から感激していました。

 数日前より電車の吊り下げ広告のなかに「みたらし祭り」をPRしているものを見つけました。
もしかしたら「みたらし団子発祥の地」といわれている滋賀県大津市の唐崎神社ではないかと思いながら、座っている座席からは少し距離があったので詳細を見ることができませんでした。
ですがどうしても気になって、再度その広告を発見したときに、せっかくキープした座席を諦めて近くまで移動しました。

「人をつなぐ 時をつなぐ 文化をつなぐ」というキャッチコピーの文化庁の広告でした。
タイトルは「みたらし祭り」、まさに今日7月28日に唐崎神社で開催されます。
みたらし祭りは、暑い夏を無事に過ごし、厄祓いを祈願するお祭りです。湖上のお焚き上げや、関西では珍しい手筒花火の奉納が繰り広げられるそうです。

 唐崎神社のある唐崎は、近江八景の「唐崎の夜雨」で有名です。
歌川広重の浮世絵では、雨が降る暗闇に大きな松が浮かび上がるようにして描かれています。その大きな松のある風景が今でも唐崎に残っています。そして松の脇には松尾芭蕉の俳句もひっそりと残っています。
「唐崎の 松は花より 朧にて」

 実は、以前みたらし団子を食べに唐崎に行ったことがあるのです。だから余計に、祭りの広告が気になったのかもしれません。
唐崎神社の鳥居の前に、一軒だけみたらし団子屋さんがありました。江戸時代からのお店です。
団子というよりも、焼きもちにタレがかかっているようなイメージでしたが、注文してから焼いてくださるのでとても美味しくて食べ応えがありました。

 みたらし団子にみたらし祭りといえば、京都の下鴨神社も有名です。そして下鴨神社もまたみたらし団子発祥の地といわれています。
発祥の地は、唐崎神社と下鴨神社、いったいどちらなんでしょうか。

 今日も、よい一日をお過ごしください。

北湖にて

2022/07/27 05:30:40

  おはようございます。
今日は昼から雨が降るようです。
雨が降るのは、何だか久しぶりのような気がします。
傘を持っていくのは面倒ですが、少しは涼を感じることができるといいなと思いました。

 昨日は、限りなく透明で美しい自然の神秘に魅了され、長い歴史のなかで育まれた奥深い郷土料理を味わいました。
北国街道として栄えた滋賀県の長浜です。
そこには、いつもと違う琵琶湖がありました。
果てしなく拡がる大海原のようでした。
ピュアな青い水面が風に揺れながらキラキラ光り、微かに笑みを浮かべているようでした。
南湖では見られない北湖の美しさがここにありました。

 長浜市周辺の湖北地方に伝わる郷土料理に、「焼鯖そうめん」があります。
鯖を甘辛く炊き込み、その出汁で茹で上がったそうめんを軽く炊いて、そうめんの上に炊いた焼き鯖を盛り付けるというものです。
 お昼の会席料理の一品として、家庭料理のような見た目も映えない焼き鯖そうめんが出てきました。
この地味な料理にかなりトーンが下がりましたが、これがまたとても美味しくて懐かしい味わいがしたのには驚きました。
出てきた数々の料理の中で、一番の美味だったように思いました。

 焼き鯖そうめんが郷土料理となった理由には、「五月見舞い」という湖北地方独特の習慣に由来しているという説があります。
「五月見舞い」とは、農繁期である5月に農家へ嫁いだ娘を気遣って、嫁ぎ先に焼き鯖を届けるという習慣のことです。
長浜は若狭湾に近いこともあり、鯖はとても身近な食材だったそうです。
また焼き鯖そうめんは、客人をもてなすハレの日のご馳走でもあったみたいです。

 焼き鯖そうめんは、娘を思いやる親の愛、お客さまへの心を込めたおもてなしの郷土料理として、ここ長浜で代々伝えられてきました。
今でもその味はたくさんの人に愛され、お店にもそれぞれの味が受け継がれています。
その土地ごとに伝わる郷土料理とは、地元の歴史や人々のくらし、気候や風土などのさまざまな要因が重なり、心を込めて作られ続けて形になって表れたものだと思いました。

 その営みをずっと見つめてきた琵琶湖は、今いったい何を思っているのでしょうか。
もしかしたら、外来魚に生態系のバランスを崩されていることを悲しんでいるかもしれません。
またもしかしたら、人間による環境破壊に心を痛めているかもしれません。
さらさら吹く風に、水面が少し波打っているようでした。
琵琶湖の心の叫びのようにも見えました。

 今日も、よい一日をお過ごしください。