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秋の贅沢、ひやおろし

2022/09/13 05:50:31


 おはようございます。
朝の涼しさが、しだいに増しています。
服装の方も、夏から秋への過渡期みたいな感じがします。
でも、袖からでている腕に涼しい風が当たるのを、とても心地よく感じます。
まだまだ長袖になってしまうのは、もったいない気持ちです。

 収穫の時期である秋は、旬の食材が次から次へと登場してきます。その旬の味わいに色香を添える、この時期にしか味わえない日本酒があります。「ひやおろし」です。
「ひやおろし」は、9〜11月に出荷される日本酒で、程よく熟成していて飲み頃のお酒です。二度目の火入れをしない「冷や」のまま「おろして」出すことから、こう呼ばれ、秋の酒として珍重されてきました。

 「ひやおろし」は、いつ頃出荷されるかによって味わいが変わってきます。
9月に出回るのは「夏越し酒」と呼ばれ、夏を越し、涼風が吹きはじめた頃の「ひやおろし」です。苦味や渋みが和らいで、粗さがとれ、濃醇ながら軽快さとまろやかさがあります。まさに今が旬の「ひやおろし」です。
10月は「秋出し一番酒」。味のノリがよく、香味とのバランスも絶妙になってきます。
そして11月は「晩秋旨酒」。熟れきった濃醇さと呼ぶにふさわしく、旨味とまろやかさが増しています。

 こうしてみてくると、味わいの変化が季節の移ろいと似ているようです。
涼風のささやきとともに秋の訪れを感じる頃、夏越し酒。
次に深まりゆく秋の気配を感じる頃、秋だし一番酒。
そして、熟した秋の実りとともに寒い冬が近いことを感じる頃、晩秋旨酒。
夏から秋へ、秋から冬へと刻々と移りゆく季節の風情と「ひやおろし」の味わいが重なるようです。

 この微妙に違う奥深い味わいは、自然の神秘な力とともにつくられるお酒ならではの魅力ではないかと思いました。
秋の味覚とともに、旬な日本酒「ひやおろし」を味わいながら、しだいに深まりゆく秋を感じる時間は、とても粋なひとときとなることでしょう。
「まろやかに 深まる秋と ひやおろし
      あなたと交わす 粋なひととき」
先日いただいた「ひやおろし」、最高でした。
夏とのお別れに、夏越し酒を一献。

 今日も、素敵な一日でありますように。