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夢幻の城

2022/09/27 05:48:55


 おはようございます。
爽やかな秋晴れが続いています。
日の出前の星空がとても綺麗です。
なかでも、宵の明星がひときわ輝いています。
朝から、天空に思いを馳せていました。

 どこまでも続く石段。
登っても登っても、まだまだ続きます。
いったいどれだけ登るのでしょうか。
だんだん息が切れてきましたが、本丸はまだまだ上の方にあるようです。
ほっと一息、休憩がてら振り向くと、眼下には美しく青きびわ湖と、それに寄り添うように街並みが広がっていました。
素晴らしい眺めでした。

 ここからまだ登ります。
それはまるで天空の城を目指しているようでした。
その城とは、安土城です。
先日、安土城跡を案内していただきました。
安土城は、織田信長が3年余りをかけて完成させた五層七重のわが国初の天守閣を有する城です。
本能寺の変で信長が倒れた後、城下町とともに天下の名城は焼き払われ、わずか3年にして廃墟と化しました。

 しかしながら、標高200mの安土山山上には、今も石垣や礎石が残っていて往時をしのばせてくれます。
南蛮文化を積極的に取り入れ、派手な衣装にマント姿の信長が、豪華絢爛の安土城から天下を見下ろすシーンをよく時代劇で観ました。
そこには、地球儀を見ながら世界の広さを痛感する姿、天下統一に向けて邁進し続けようとする姿がありました。

 戦国の世を語り伝える安土城跡と向き合いながら、時代の粋を集めたこの城が、今は跡しかないことをとても残念に思いました。
「もしも信長が本能寺で倒れずに生きていたら…」と考えると、戦国の世はまた違うかたちで終焉を迎えたことでしょう。

 山上の本丸から、びわ湖が見えました。
「びわ湖を制するものは天下を制す」といわれていましたが、びわ湖は人に支配されることなく、淡々と戦国の世を、安土城を、信長の夢幻を見つめていたのではないでしょうか。

 今日も、よい一日をお過ごしください。