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季節を映す和菓子

2022/02/01 20:24:37

拝啓 一年で一番寒さの厳しい時期、春の便りが待ち遠しいです。
お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか。

 2月になりました。
2月は別名、「如月」といいます。
寒さで着物を更に重ねて着ることから「着更着(きさらぎ)」という説が有力です。
その他にも、気候が陽気になる季節で「気更来(きさらぎ)」「息更来(きさらぎ)」とする説。
また、草木が生えはじめる月で「生更木(きさらぎ)」という説、草木の芽が張り出す月で、「草木張り月(くさはりつき)」が転じたという説もあります。

 月が変わると、変わるものがあります。
和菓子のメニューも、そのうちのひとつです。
一年で一番寒い時期を迎えていますが、和菓子の世界は、まるで春がもうすぐそこまできているようです。

 ある老舗和菓子店の「下萌」という2月の和菓子、
雪に覆われた地面から、若芽がまさに萌えでんとしている早春を表現したお菓子だそうです。
雪の下から春を待つ新芽が覗いているようなデザインに、暖かな春の訪れを感じました。

 色とりどりの春らしい和菓子を見ていると、食指が動いてしまいました。
どれもこれもが綺麗で可愛くて目移りしていましたが、選んだのはスタンダードな三色団子でした。
やっぱりいざ食べるとなると、simple is best なのでしょうか。

 三色団子の色は、ピンク、白、緑の三色で春を表しているそうです。
ピンクは桜を、白は白酒やまだ雪が残る早春を、緑は芽吹く緑や蓬です。
ピンク、白、緑の団子の組み合わせは、それぞれが春にまつわる意味を持っていたことを初めて知りました。

 また、その三色は串にささっている順番にも意味があるそうです。
春を象徴する草芽吹く大地、春霞の空、春の陽光のイメージで、三色で大地、空、陽光を表現しています。
だから三色の並び順は、下から緑、白、ピンクとなっているのです。
三色にこのような深い意味が込められているかと思うと、味わいもまた変わってくるようです。
まさに、春の訪れを告げる団子です。

 買った団子を1本手に取り、まずはピンクのうららかな春の陽射しをいただきました。
次に春霞の白い空、そして最後に新しく生まれようとする芽吹く緑を味わいました。
 外は寒いけれど、気分は春うららでした。
幸せいっぱい、お腹いっぱいです。

 最後にもうひとつ2月になって変わったもの、それはカレンダーです。
朝から、1枚めくりました。
そこには、こんな言葉がありました。
「幸せは、いつも自分の心が決める」と。

三寒四温の時節柄、くれぐれもお体にはご留意ください。
                  かしこ