写メ日記写メ日記

春立ちける日✨

2026/02/04 08:16:27

立春を迎えました。
旧暦では、
一年のはじまりは「立春」からと
考えられていました。
そのため、節分やハ十八夜など、
季節の節目の行事は
立春を起点として定められています。


暦の上では春になったのですが、
寒気去りがたい今日この頃です。
あまりの寒さに、
外に出ると考えただけでも
身震いしてしまいます。
しかしそんな寒さのなかでも、
ところどころに見かける春に、
心も体も温まるような気がしました。


〜袖ひぢて むすびし水の こほれるを
   春立つけふの 風やとくらん~
      (紀貫之 古今和歌集)

この歌は、
「夏の日の、
袖がぬれるまでにして、
手にすくった水が、
冬になって凍り、
それが今、
立春の風を受けて
溶けているところだろう」
という意味です。

季節の移ろいを、
水の変化によって表現し、
立春を迎えた喜びを詠んだものです。
「袖ひつ」は夏、
「こほれる」は冬、
「春立つ」は春の
情景を表しています。
歌の中に、
いくつもの季節を感じさせる
単語を入れて、
読み手にイメージさせるところが、
この歌の最大の味わいどころ
のように思います。


水から氷へ、そしてまた水へと
変化していく様子に、
夏から秋へ、
秋から冬へ、
そして新しい春へと、
季節の変化とともに
すべてのものが
生まれ変わっていくような
気すらしてきます。
立春の風が、あらゆるものに、
新しい生命を吹き込んでいるようです。
目には見えないですが、
そんな気の流れを
感じられることそのものが、
立春を迎えた喜びなのではないかと
思いました。


春立ちける日に、
新しい春の息遣いを
あちらこちらで感じました。
澄み切った冬の空気のなか、
ハッとするような甘い香りでした。
空に向かって凛と咲く梅の花は、
その香りをあたり一面に漂わせ、
「もうすぐ春」と告げているようでした。


そして春一番の味わいの菜の花、
菜の花の料理をいただくと、
「春まぢか」を感じます。
鮮やかな緑とほろ苦い味わいに、
新しい生命が溢れているようでした。


吹き荒ぶ冷たい風のなか、
ふと白い雲の間から射し込む陽射しに、
冬とは違う春の光を感じました。
「うららかな春」の訪れを
待ち遠しく思いました。
春の暖かい足音が、
もうすぐそばで
聞こえているような気がしました。